季刊まちりょくvol.7
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6仙台市の南、太白区長町南に建つ地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡保存館)は1996(平成8)年11月に開館しました。このミュージアムの最大の特徴は、外のエントランスから階段を降りて入場する「地下展示室」です。展示室といっても、ガラスケースに展示物が陳列されているというような一般的な風景ではありません。ここは、2万年前の旧石器時代の遺跡(富沢遺跡)を、発見された現地でそのままの状態で保存し、広く一般に公開しているという、世界でも類を見ない展示室なのです。地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡保存館)2万年前の森と人の営みを「残す・伝える」900㎡の楕円形の展示室いちめんに遺跡が広がる光景はかなりの迫力です。 しかしなぜ、このように遺跡そのものを現地に残し、公開しているのでしょうか?その問いに答えてくれるのが、地底の森ミュージアムの学芸室長、太田昭夫さんです。太田さんは長年この場所の発掘調査に携わってきた富沢遺跡のエキスパート。遺跡の発見から保存の経緯、保存にまつわる試行錯誤の数々、そして未来に向けてのお話をおうかがいしました。⇒続きは10ページで!遺跡のまわりをぐるっと歩きながら遺跡を観覧できる展示室。10分ごとにスクリーンに旧石器時代の復元映像が映し出され、当時の様子をイメージすることができます。〈お話〉地底の森ミュージアム 学芸室長 太田昭夫さん打ち放しコンクリートで楕円形をしたユニークな外観。外に広がる「氷河期の森」は、遺跡から発見された樹木をもとに旧石器時代の植生を再現しており、さまざまな植物を観察することができます。

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