季刊まちりょくvol.7
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2 桜がようやく咲き始めた4月中旬の仙台市青葉区片平界隈。小池さんは小学校6年の2学期から仙台市立片平丁小学校に通った。五橋中学・仙台一高在学中は米ヶ袋の伯母さんの家に下宿していた時期があり、大学時代も片平で多くの時間を過ごしたというから、この辺りは10代20代の頃の思い出が詰まった地と言ってもいいだろう。東北大学片平キャンパスを歩く。現在では学部の機能は川内や青葉山に移り、片平は本部や研究所の拠点となっているが、小池さんがここで理学部の学生生活を送った当時はちょうど学生運動が華やかなりし頃。真っ先に思い出すのもその光景だという。 「広場に学生たちがいつも集まっていて、だれかが必ずアジテーションをやっていた。立て看がずらっと並んでいてね。集会した後はデモ隊が一番町に出ていくわけ。お神みこし輿をかついで町に繰り出すような感じで、毎日がお祭りみたいだったね」そのほか、学生食堂で23円の中華そばや56円のカレーライスを食べたこと。朝から夜中まで実験をして過ごし、ときに機械東北大学正門前にて。現在、小池さんは仙台文学館の短歌講座のため月に1回は仙台に来ているが、なかなか街を歩く時間はないという。片平キャンパスを訪ねたのも久しぶり。

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