季刊まちりょくvol.7
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29を言いやすいように直したり、人物の設定(役どころ)に配慮するなど、さまざまな工夫をしているそうです。「ふつうの役者がさらっと流す台詞を、障がいのある方は全身全霊で話し、お客さんに手渡す。その姿に感銘を受けるし、勉強になります」と井伏さん。 この日の練習には、劇団の中心的俳優である斎藤さん、小川ふみ子さんのほか、朗読活動をしている下村徳和さん、大学で特別支援について学びながら演劇部で活躍する植西舞さん、これから演劇に挑戦してみたいという古谷一彦さん、井伏さんの劇団に所属する小松歩美さん、といった多彩なメンバーが集まっていました。こんなふうに、演劇活動を通していろいろな人と出会うことが何より楽しい、と語る斎藤さんと小川さんの笑顔が印象的です。◎芝居にでもまざらいん これまでもファットブルームは児童館でのワークショップなど「地域」を意識した活動を行ってきましたが、東日本大震災後は「地域のなかで人と人とのつながりをどのように作っていけばいいのか」という思いがより強くなった、と主宰の高橋さんは語ります。そこで現在ファットブルームが企画しているのは、仮設住宅に住む方々を対象にした演劇教室です。「ちょっと芝居にでもまざらいん(まざってみませんか)」といった感覚で参加を呼び掛け、ともに身体を動かし、声を出し、人と関わることで、演劇を通して心と体のリハビリテーションを行っていきたい、という高橋さん。 さまざまなことにチャレンジし続ける劇団ファットブルーム。これからの活動がますます楽しみです。(2012年5月2日取材)劇団ファットブルームの皆さん。左から井伏銀太郎さん、下村徳和さん、古谷一彦さん、小川ふみ子さん、高橋宗義さん、斎藤正勝さん、植西舞さん、小松歩美さん。「劇団ファットブルーム」のページ(「仙台市民の文化事業」PRページ 0)もご覧ください。▶▶▶ホームページhttp://www.do-cass.com/fatbloom/3

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