13寄贈を受けた資料はいったんバックヤードに保管され、清掃・整理・分類される。畑井さんが手にしているものは、震災後に寄贈を受けた「地租改正時の土地測量に使用された杭」。一見何の変哲もない杭だが、最初見たときにピンときて、後で調べたら「やはりあれだ」と確証を得、受領に至ったというもの。資料の整理作業を行う部屋。歴史学・民俗学の専門知識をもつ学芸員3人が整理を担当している。は「れきみん」単独でも数回にわたり被災地での調査を実施し、資料・文化財の被災状況の把握に努めています。 「震災の後片付けでは、古い道具や墨書きの書類、昔の写真などは家の方でも詳しいことがわからないまま処分され、資料となるべきものが失われることも多々あります。早い段階で現地に調査に出かけることに加えて、普段から古いモノには地域の歴史や暮らしを物語るものがあるということを皆さんに伝えるような地道な活動が重要になってきます」と畑井さんは語ります。 ●身近な道具を残していく大切さ 身近なものほど残すためには努力が必要だというのは、矛盾をはらんだことですが、努力を払って残す価値はどのようなところにあるのでしょうか。 その問いに、「道具は、人間が何を考えて生きてきたのかを表すものです。震災後に電力不足が叫ばれた際、電気がない時代の人々はどうやって暑さをしのいでいたかが話題となり、昔の知恵(すだれを掛けたり、打ち水をしたりなど)が見直されました。昔のことを知っていれば、この先どうあるべきか、どうすべきかを考えることができます。そのきっかけを与えてくれるのが、昔の道具であったり、歴史を伝える資料だと思うのです」という答えが畑井さんから返ってきました。 震災の後、「れきみん」では一般家庭に普及しはじめた頃のクーラーを収蔵しました。それも、何十年後、あるいはもっと先の未来に残していくことを視野に入れて収集したものだそうです。身近な道具こそが人間にとって大切なことを教えてくれるものであり、それを丹念に集め保存していく仕事の使命を痛感しました。仙台市歴史民俗資料館〒983-0842仙台市宮城野区五輪1-3-7(榴岡公園内) TEL022-295-3956 FAX022-257-6401〈アクセス〉JR仙石線榴ヶ岡駅から徒歩5分、JR仙台駅から徒歩20分
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