季刊まちりょくvol.6
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41977年仙台市生まれ。高校卒業までを仙台で過ごす。15歳でタップダンスを始め、19歳で渡米。ニューヨーク大学で心理学を学ぶ傍ら、ブロードウェイミュージカル「ノイズ&ファンク」の養成学校でタップのトレーニングを受ける。7年間のアメリカ滞在中、ストリートやライブハウスで活動し、グレゴリー・ハインズ(アメリカのタップダンサー・俳優)に絶賛される。帰国後はソロ公演を展開するほか、日野皓正、上原ひろみ、金森穣、ハナレグミといった多彩なアーティストとも共演。現在は東京と仙台でワークショップを開講し、タップの魅力を広める活動も行っている。熊谷 和徳 くまがい かずのり日ひよりやま和山のふもとには、もともと山頂にあった碑が横倒しになっていた。「地震があつたら津浪の用心」と題されたこの碑は、昭和8年の三陸津波の後に建てられたもの。天災は人間の力では予知しがたいものであるから、万策を講ずるのは勿論、平素から用心を怠るなという先人の言葉が刻まれている。 「仙台でタップフェスティバルをやりたいんです。海外からダンサーを招待して、日本全国から大勢の人たちがタップをしに来たり見に来るような……」津波の跡地を踏みしめる熊谷さんの一歩一歩は、わたしたちの日々の歩みとも重なり合っていくように思えた。日和山から閖上地区を見渡す。4月に来たときにも、この山に生えている一本の松の木(左の写真)が印象に残ったと熊谷さんは語った。

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