季刊まちりょくvol.6
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3 「震災後、東北人は謙虚で我慢強いと世界から評価されましたが、これからは一人ひとりが主張していく番だと思いますし、いま東北の人たちにはそういう権利があるワークショップでは年度末に受講生と講師が出演する発表会を行ってきたが、昨年は震災で中止を余儀なくされた。トランぺッター・日野皓正さんをゲストに迎える今年度の発表会「My Rhythm」は3月17日。それに向けてレッスンを重ねる。取材をしたのは1月初旬。この日は空が本当に青かった。海も青かった。「My Rhythm」について、「震災から1年、ここから新しく始まるというショーにしたい」という熊谷さんと受講生の皆さんが話し合い、アイディアを出し合っていく。と思います。東北から原発に代わるエネルギー供給や環境保全、新しい文化の発信など世界のモデルとなることごとを提案していくチャンスがあるんじゃないか。この宮城にもたくさんの才能溢れる人たちがいるわけですから」タップダンサーとしても、震災を機に自身の原点を見つめ直した。そして仙台のWSで気づくこともあった。 「震災があっても、WSの受講生たちはタップをやめなかった。それで、みんなが本気だということがわかりました。これからもっとタップダンスを広げていって、生活の中にあるアートにしていきたいです」。5年前に蒔いた種は確実に成長しているようだ。

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