季刊まちりょくvol.5
24/60

22 サクソフォンは、ベルギーの楽器製作者アドルフ・サックスによって発明考案され、1846年にパリで特許が取得された楽器である。木管と金管との中間の音色を持ち、その機能的なメカニズムとともに19世紀最高の発明品のひとつと言われている。その後、フランスのマルセル・ミュールや、日本の阪口新などの努力でクラシック・サクソフォンは急速に広まることとなる。この楽器の持つ弦楽器のような柔らかな響きは、ソロ楽器としても魅力的だが、アンサンブルにもバランス良く対応でき、多くの作品が書かれている。 今回、仙台サクソフォンアンサンブルクラブの第25回メモリアルコンサートに出かけた。メモリアルコンサートであれば、普通は大曲なり、高度な曲をそろえるのが普通であろうが、あえて聴衆が心から楽しめるステージに徹したのは、別な意味で大いなる決断である。しかし、実際、ステージと客席が一体となった当日の雰囲気は同席していて気持ちの良いものだった。団員の心の広いサービス精神の表れであろう。 第1部は、サクソフォン四重奏。4組のアンサンブルグループが楽しい曲目を並べた。たとえば、「カーペンターズメドレー」、アニメ「忍たま乱太郎」の主題歌「勇気100%」、「ピンクパンサーのテーマ」などおなじみのメロディーが会場に流れた。演奏も、良くアンサンブルされていたし、リタルダンドなどのテンポの変化にもうまく対応していた。たサービス精神に溢れた演奏会art reviewやんや仙台サクソフォンアンサンブルクラブ25th記念チャリティーコンサート石川 浩(作曲家)仙台・宮城で開催された文化事業をレビュー(批評)としてご紹介します

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る