季刊まちりょくvol.4
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6桃生 和成さん「Book!Book!Sendai2011」副実行委員長榊原 光裕さん定禅寺ストリートジャズフェスティバル実行委員長、 みやぎ音楽支援ネットワーク 発起人代表被災地の子どもたちに新しい楽器を贈る、みやぎ音楽支援ネットワークの活動 嗚咽するほどドラマチックでもなく、眉間に皺をよせるほどシリアスにでもなく……。3月11日後、初めて集まったBook!Book!Sendai(B!B!S)のメンバーの中に、イベント中止を考える人はいませんでした。今年メンバーに加わった私は、決して背伸びしているわけでもなく、「当然やりますよ」といった自然な空気からB!B!Sの強さのようなものを感じました。「がんばろう東北」「思いは一つ」といったメッセージではなく、私たちが届けたかったのはイベントを通した日常の姿です。6月25日(土)、サンモール一番町商店街で実施したBook!Book!Sendai2011のメインイベント、Sendai Book Marketには雨がぱらつく中たくさんの方に来場いただきました。会場には古本店主を体験できる一箱古本市を中心に本を通した人々の交流の時間がゆるやかに流れていました。 「楽しみにしてましたよ」「これからも続けてくださいね」というたくさんのメッセージをパワーに変えて。来年も再来年も日常の断片としてBook!Book!Sendaiは続いていきます。よろしくどうぞ。Book!Book!Sendai 2008年、古書店・出版社・ライター・書店員ら本好きのメンバー10人が「杜の都を本の都にする会」を結成。2009年から「Book!Book!Sendai」として、「6月の仙台は本の月」を合言葉に、一箱古本市(会場はサンモール一番町商店街)や本にまつわる様々な催しを開催している。桃生 和成 (ものう かずしげ) 仙台市生まれ。東北の日常をおもしろくする活動を展開している「つれづれ団」の団長。Book!Book!Sendai2011では副実行委員長を務めた。6月25日に開催されたSendai Book Market2011の様子。一箱古本市のほか、被災地に本棚を贈るためのバザーなども開かれた。震災直後、多くの団体・個人が支援の活動をはじめた。医療、衣食住、インフラの再構築……これら、生きていくための最小限の支援は、すべてを失った人々の心身を救った。しかし、集落としての街が復興するには、まだまだこれから10年、20年という時間を必要とする。自衛隊の支援活動も終了し、外部からのボランティア参加も急激に少なくなっている。しかし、支援が本当に必要なのは、これからだ。仮設住宅という町で……故郷から遠く離れた町で……人と人の結びつきを失い孤立していく弱者がいる。私たちは、そういう人たちを「音楽の力」で救えないかと、その方法を模索している。毎週1回一緒に歌うだけでもいい。音楽に合わ心の復興へむけて

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