季刊まちりょくvol.4
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4仙台市生まれ。東京芸術大学、同大学院修了。チャイコフスキー・コンクール(1982年・第3位)、ショパン・コンクール(1985年・第4位)の2大国際コンクールに日本人として初めて入賞し、以降、日本を代表するピアニストとして活躍。2006年から12年間にわたるリサイタルシリーズ「小山実稚恵の世界」を開始し、現在も全国7都市(東京、大阪、札幌、仙台、名古屋、福岡、北九州)で進行中。演奏活動のほか、仙台国際音楽コンクールやショパン・コンクールに審査委員として参加。東日本大震災発生後、岩手・宮城両県の被災地に赴き、学校や病院でコンサートを行った。10月2日には「仙台クラシックフェスティバル2011」に出演(※)、来年1月15日にはリサイタルシリーズ「音の旅」第12回公演が仙台市青年文化センターにて行われる。小山 実稚恵 こやま みちえこの日の散策は終わったが、小山さんが仙台を訪れる機会は今後も続く。10月には6回目を数える「仙台クラシックフェスティバル(せんくら)」に初めて出演する。今年のせんくらは音楽の力で震災からの復興を願う特別なフェスティバルとなるが、そこで小山さんが演奏するのはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。 「この曲はラフマニノフが精神的に落ち込んだ時期から脱して、自分の信念を見つけ、新しく生きる転機となった作品。冒頭の鐘の音のような和音は深く悲しげですが、徐々に高まって第3楽章の終わりは希望にあふれる。復興をうたうコンチェルト(協奏曲)としてはもうこれしかない」。そんな強い思いで決めたプログラムだ(※)。音楽によって希望と勇気が満ちあふれるように――。そんな小山さんの願いはピアノの音色に乗って、ふるさと・仙台と、多くの人々に届くに違いない。仙台市役所1階に掲げられた、仙台国際音楽コンクールボランティアの方々による七夕飾りの前で。小山さんが被災地で開いた演奏会に来場したお客様がしたためた短冊も飾られていた。※小山さんが出演する「仙台クラシックフェスティバル2011」公演番号40のチケットは、完売しました。

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