季刊まちりょくvol.4
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29 松崎さんは元中学校の国語教師。部活の顧問をしながら徹夜で作品を仕上げて展覧会に出した思い出も。「でも学校では、自分が絵を描いていることは言いませんでした。美術の先生に遠慮してたからね(笑)」。 松崎さんは根っからの「人」好きで、人を見ると描きたくなるといい、佐々木さんは各地に出かけて茅葺き屋根の家を描くのがライフワーク。「絵のモチーフが違う、描き方も違う会員が集まり、楽しんで描くというのが新洋会のいいところ。だからこそ50年も続いているんじゃないでしょうか」とおふたりは口をそろえます。◎「心と心の新洋会」 現在、会員は12名。最盛期からみると減少はしましたが、それぞれ絵画教室で指導したり、中央の展覧会に作品を出したりして活躍しています。「会員の老化に伴って活力は少々落ちてはいますが、新洋会は自信と誠実さに満ちていますよ」と佐々木さんは胸を張ります。 この号が発行される頃には50周年記念展は終了してしまっていますが、取材時はまさに展覧会準備の真っ最中。50年の記念として、各自50号以上の作品を5、6点ずつ出品することになっており、「私はこれまでに描いたものから出しますが、どれも愛着がある作品で全部新洋会の思い出につながっていくんですよ。選ぶのに迷いますね」と松崎さんが言うと、佐々木さんが「私は海の絵を出す予定だけれど、今回の津波で被害を受けた場所だから心配でね」と会話は尽きません。 「新洋会会歌」にある“心と心の新洋会”という歌詞そのままに、いきいきと話される姿を拝見して、50年の歩みに納得です。新洋会の皆さんには、ますます旺盛に絵筆をふるって、歴史を重ねていただきたいです。創立当時の会員が写った貴重な写真 後列ランニング姿の男性が長尾光章。前列左から3人目が菅野廉、4人目が宇野松仙。▶▶▶合唱団Pálinkaホームページ http://palinka.masa-mune.jp/

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