季刊まちりょくvol.3
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3駄スケートをしたり」。渡邊さん曰く「広瀬川は遊びと学びの庭」。今の子どもたちの「遊びと学びの庭」はどこにあるのだろうか。街歩きの締めくくりは片平界隈へ。東北大学の正門に向かうと、歩道沿いに古い石垣が続く。「いいですか、よく見ていてください。途中から石組みが変わりますよ」。渡邊さんの言う通り、ある地点を境に石の大きさが全く石垣の境目。「魯迅が下宿していた監獄前の仕出し屋は有名なのに、この石垣の違いや歩道の下が四谷用水の跡ということは、見過ごされていますね」と語る。広瀬川の河原で石投げをする渡邊さん。さすがの腕前。仙台城址から“Sendai Cliff ”を一望できるポイント。この場所に観光客の姿はほとんどない。 違う。「藩政時代、片平丁は重臣たちの屋敷町で、この石垣はその名残りです。明治初年、この一角に宮城県監獄署が造られ、石垣も一部造り直されました。獄舎には後の外務大臣陸奥宗光も収監されていたんですよ……」。

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