季刊まちりょくvol.3
36/44

このたびの大地震では宮城県がもっとも人的被害を受けた。こどものころ幾度も海水浴に行った荒浜や閖上の海岸が、見る影もない状態を呈している映像に胸をつかれる。 戦後六十六年、このような自然災害はわが国になかった。その六十六年前の仙台大空襲は、あるいはこのようなものだったかも知れない。一面の焼け野原となった仙台にあって、わたしたちの父や母は獅子奮迅の働きをして、みごとに立ち直ってきた。今後の未曾有の災難からも、わたしたちは必ずや立ち直っていくと信ずる。 避難所のこどもたち、インタビューに答える中学生、高校生たち、若者たち。みなすばらしい。希望を失わず、謙虚に自己を抑制し、他を思い遣る。こういうこどもたち、若者たちがいる限り、物理的になにが破壊されようと大丈夫と信ずる。信じようではないか。(仙台文学館ホームページより転載)小池 光さん(歌人・仙台文学館館長) 仙台の演劇人、劇場人、そして演劇を愛するすべての皆さんへたくさんの人たちと出会う時だと思います。たくさんの人たちとこころを通いあわせる時だと思います。たくさんの人たちと手をむすぶ時だと思います。そして、たくさんのことを考えなければならない時……演劇と劇場のちからを信じています。いま、共にあることをしっかりと胸に刻み、こころからのエールをおくります。佐藤 信さん(劇団黒テント/劇作・演出家)34

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る