季刊まちりょくvol.3
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20文化団体紹介◎演歌からクラシックまで 新年を迎えて間もない1月初旬の日曜日。夜8時過ぎ、真冬の空気に包まれた広瀬川河畔の市民センターに力強い男声合唱の歌声が響きます。歌声の主は仙台市内で活動する合唱団Pálinkaの皆さん。この日は約30人の団員が集まり、今後のコンサートで演奏する曲の練習を行っていました。 厳おごそかな前奏で始まった曲に耳を傾けると、なんと八代亜紀の「舟唄」! 続いて鳥羽一郎の「兄弟船」。こんなお馴染みの演歌を合唱で聴くことができるとは……。「こういう曲を演奏する合唱団はあまりないですよ」と笑うのは、創団以来指揮者を務める千葉敏行さん。もちろんレパートリーにはクラシックな曲もありますが、「合唱曲は言葉があるぶん、分かりにくい曲ばかりが続くとお客さんは退屈してしまう」(千葉さん談)という考えのもと、最近の演奏会ではひとつのテーマに沿って多彩な曲を取り上げ、客席を歩きながら歌ったりするなど、お客さんも、そして歌っている団員自身も楽しめる工夫をしているそうです。◎創団21年を迎えてPálinkaは1990年、大学合唱団のOBや現役メンバーで結成されました。一般的に、男声合唱団は団員の仕事の都合などで活動の継続が難しいケースが多いなか、今年で創団21年目を迎えるPálinka。これまで、ほぼ年に一度定期演奏会を開催しているほか、合唱コンクールにも積極的に出場し、1997年には第50回全日本合唱コンクール全国大会において、初出場ながら一般Aグループ(8~32人編成の部)で金賞を受賞しました。 現在、団員は20代から70代まで約40人。代表の斎藤さんは「幅広い年齢層の団員が揃っている貴重な男声合唱団」と胸を張ります。日曜日夜間の練習に福島や山形から通ってくるメンバーや、他の合唱団との“かけも 数ある音楽の形態のなかでも、誰もが学生時代に経験する身近な「合唱」。全国規模の合唱コンクールで、毎年のように最高賞に輝く学校・団体を擁する東北地方は“合唱王国”とも評され、仙台でも多くの合唱団が活動しています。女声、混声、学生・児童合唱団など数あるなかから、今回はパワフルな男声ハーモニーを奏でる合唱団「Pálinka」にスポットを当てました。合唱団Pálinka(パリンカ)指揮者の千葉敏行さん男声ハーモニー、みやぎの合唱を盛り上げる

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