季刊まちりょくvol.3
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13劇的な動きなどをレッスンする講座なのですが、もっとやってみたい、演劇を知りたいと思って。杜劇祭のスタッフとも知り合い、お手伝いできるのであれば一緒にやりたいですと伝えたんです。そこでウエディングパーティーなどのコーディネートに携わる辻本さんも誘ってお手伝いさせていただきました。編集部 具体的にどういうことをされたんですか。城下 それぞれのPDが作品を決めているぐらいのときに関わり始めたのですが、PDのイメージからお店をあげてもらうんですけど、なかなか具体名が出てこないので、こんなお店はどうですかという提案をしました。あとは現場のお手伝いですね。鈴木 僕は杜劇祭を通じて、一般の人が演劇に対して感じるイメージを少しクリーンアップしたいと思っているんです。それで今回、最初に広報戦略を立てるときに演劇人ではないお2人を入れてミーティングをして、去年の広報物とか広報の方法を説明したうえで、どう思いますかと意見を求めました。僕は、杜劇祭に行くことが生活のステイタスになるようにしたいと思っていて、2年目に、ブックレットの形とか写真とかビジュアルに凝ったのですが、それを見せたら「おしゃれすぎてとっつきにくい」と2人に言われて(笑)。それですごく悩みました。一般の人が入りづらい演劇の雰囲気を払拭したつもりが、今度はやりすぎていてちょっとインテリっぽくなってしまったのかなと(笑)。辻本 私は杜劇祭に関わるまで、演劇には興味がなかった(笑)というか知らない世界だったんですね。ミーティングでは私が一般人として感じる意見をどんどん言いました。編集部 まっさらな目を入れていくのは大事ですよね。城下 一般の人が杜劇祭のブックレットを見たときに何で選ぶかというと、作家の名前と店の名前だけなんですよ。辻本 しかも私は作家の名前も分からないので、店の写真と食べ物(笑)。女子目線なんですけど(笑)、雑誌の「カフェ特集」とかだと、その写真だったり題材だけで手にとってみたくなるじゃないですか。だからこの杜劇祭のブックレットも、カフェとかレストランの写真とか視覚で入ってくる情報でページを開くと、「あれ、これ演劇なんだ」と逆に気づく。「このカフェ行ってみたいし、プラスアルファ演劇もこの値段で観られるんだったら楽しそう」って。今回杜劇祭に関わらせてもらって、演劇も文学も分からなかったけど、すごく面白くて、たった1時間なのにこんなにワクワクできるものが身近にあったんだと驚きました。そういう人が毎年増えていってるんじゃないでしょうか。鈴木 今年のお客さんのアンケートで面白かったのは、「初めて参加しました」とか「2回目の参加です」と、「参加」っていう言葉を使われるんですね。演劇のアンケートで「参加」っていう言葉をあまり見たことがない。舞台と客席との一体感を感じてるんだなと実感しました。見えてきた課題編集部 今回は井上ひさし選定作品を続けたということでハズレがなかったと思いますが、杜劇祭のブランドを作っていくためには絶対中身が良くないといけない。3回目までの芸術的成果という意味ではどうですか。鈴木 1年目はテーマもなく、誰も品質管理を

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