季刊まちりょくvol.3
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10杜もりげきさい劇祭のはじまり編集部 杜劇祭は、2008年に劇団四季の「美女と野獣」仙台公演が長期間あった時期に、市内の他のホールの改修も重なり、地元劇団の公演ができなかったり、「仙台クラシックフェスティバル」に刺激された演劇界からも「ああいうのができないか」というような声があがったりして始まったんですよね。そのとき独自の演劇活動をされていた鈴木拓さんに10-BOXが声をかけてアイディアを出していただいたと思うのですが、その辺りの話からお伺いできますか。鈴木 最初はPD(※1)として一本作品を作ってほしいと言われたのですが、僕は当時、制作とか企画とかシステムを作る側に興味があったので、事務局だったらお手伝いしますと。具体的に何も決まっていなかったので、僕だったらこうするけど…と企画書を作らせてもらいました。1年目は目の前にあるアイディアを形にすることに夢中で、3年たってこんなに盛り上がるとは思っていなかったですね。編集部 当初いろいろな苦労があったと思うんですが、一番大変だったことは?鈴木 対外的にはお店との交渉ですね。やりたいことをお店の人に伝えても、初めは何の資料もないですし、自分たちでも「本当にそんなことできるのかな」と実感がなくて。それから内部のことで言えば、企画制作についての考え方の相違で闘った記憶があります(笑)。「杜の都の演劇祭」は、演劇に携わる表現者と、カフェやレストランなどのお店がつながり、それを制作スタッフが支えるという、いわば“三者協働”のプロジェクトです。特集の後半では、スタッフとしてさまざまな分野に関わるプロフェッショナルによる座談会をお届けします。杜劇祭にまつわる裏話、3年目を終えて見えてきた課題や将来の展望までを語り合っていただきました。鈴木拓(杜の都の演劇祭プロデューサー)・佐々木一美(杜の都の演劇祭制作チーフ)赤間亜生(杜の都の演劇祭コーディネーター/仙台文学館)城下鹿乃子(杜の都の演劇祭企画制作/グラフィックデザイナー)・辻本麻記(杜の都の演劇祭企画制作/ウエディングコーディネーター)聞き手:「季刊まちりょく」編集部(仙台市市民文化事業団総務課)座談会特集・杜の都の演劇祭2010新しい演劇のかたちに挑んだ三年間※☞P.8から続く

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