季刊まちりょくvol.2
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2仙台フィルのコンサートマスターに就任してすぐ、定期演奏会をはじめとして仙台クラシックフェスティバル(せんくら)、仙台駅でのコンサート、リハーサル・練習など、多忙なスケジュールを送っている神谷さん。秋晴れのこの日、青年文化センターでのリハーサルを終えたところを散歩にお誘いした。仙台フィルが定期演奏会を開く青年文化センターがある旭ヶ丘は、いわば神谷さんの仙台生活スタートの地と言ってもいいだろう。神谷さんは、「初めてここ(青年文化センター)に来たときに、隣に公園が見えたのがすごく嬉しかったんです」と笑顔を見せる。 「隣の公園」とは、憩いの場として市民に親しまれている台原森林公園のこと。神谷さんは、山も海も近くにある古都・鎌倉で育ったからか、「緑や水のあるところ」「歴史のある街」が好きで、おのずとそのような街に住むようになってしまうのだという。ホールの近くに公園があるのを喜んだというのも納得だ。 神谷さんは、東京の桐朋学園大学を卒業した後、留学のためにドイツのハノーファーに5年間住んだ。ハノーファーは中世から栄えた街だが、第二次大戦中に空襲を受け、広島と姉妹都市にもなっている北ドイツの主要都市だ。 「勉強していた国立音楽大学の裏が森になっていて、森を歩いて大学に通ったりしていました」。ドイツの森と聞くと、思わずロマンティックな光景をイメージしてしまうが、現実はというと……。「森の中に野ネズミがいて、大学の建物にも入ってきちゃうんです。学内この日は、仙台駅が会場の「杜の都コンサート」(10月15日~17日、下の写真)のリハーサル。緊張感漂う音合わせが一段落、メンバーと談笑。10月15日(金)、仙台駅2階で開催された「杜の都コンサート」(主催:東日本鉄道文化財団)

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