季刊まちりょくvol.1
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6START ME UP—それぞれの「あのころ」*石川さんは劇作がいよいよ100本。前人未到の域に入りつつありますね。石川 いえいえ、前人未到じゃないですよ。数えてみたら、いつの間にか100本になっていただけです。*I.Qも30周年を越えましたね。丹野 はい、7月1日が劇団のお誕生日だったのでもう31周年ですね。いつの間にかなっちゃうのねえ(笑)。実は30周年の少し前に気弱になって「もうだめかもしれない」と石川さんに電話をしたんです。そしたら、「もうちょっとやったら?」と言われて、おかげさまで30年を越えられました。*おふたりはライバルだったのですか?石川 実は彼女も私もある劇団がきっかけで上京したことがあって、それが「東京キッドブラザーズ」(※1)なんです。時期は違うけど、私は公演のお手伝いをしていて、彼女は女優志望だった。丹野 えっ!知らなかった!私、仙台でのオーディションをたまたま受けたら合格しちゃって、でも演出の東由多加さんがお酒臭くて怖かったのね。私、高校卒業したてだったから(笑)。それで仙台に帰って、I.Qを作ったんです。石川 うち(十月劇場)はその1年後に旗揚げして、時期が近いこともあったから、お互いに劇作家・演出家 TシアターグループheatreGroup“OオクトパスCT/PASS”主宰1953年山形県東根市生まれ。高校時代から演劇に関わり、81年、「十月劇場」を旗揚げ。95年、「十月劇場」を発展的解消して「TheatreGroup“OCT/PASS”」を結成。シリアスな社会劇からスラップスティックコメディ、児童劇など幅広い作風が持ち味で、今年7月から8月にかけて劇作100本達成記念公演となる『ノーチラス』を上演。戯曲賞や児童詩の選考委員、演劇ワークショップの講師も務めるほか、今年、仙台市が高齢者の生きがいづくりや介護予防を目的に立ち上げたシニア劇団の指導も行う。91年度宮城県芸術選奨新人賞受賞、96年度宮城県芸術選奨受賞。http://www.oct-pass.com/これまでに、杜の都の演劇祭、ライブ文学館などさまざまな舞台を演出。また、せんだい演劇工房10-BOXのニュースレター「ハコカラ通信」の初代編集長を務めたほか、映画上映、コンテンポラリーダンスの企画などにも携わる。最近では、樋渡宏嗣俳優活動25周年記念企画『十二人の怒れる男』(9/1~5、白鳥ホール)の演出を手がけた。石川 裕人 いしかわゆうじん伊藤 み弥 いとうみや演出者聞き手・本文構成

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