季刊まちりょくvol.1
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8く続くなんてねえ。だから、私の場合は選択したのではなく、外界とつながれるたったひとつのツールだったのかなと思います。石川 そういう見方をすると、演劇とは非常に大事なものだね。私は逆で、小学生の頃から芸事が好きで、歌とかコントとか人前で何かをするのが好きだった。学芸会では主役を4回もやって、「これは楽しい」と味を占めた。4年生の時に授業で書いたシナリオを先生に褒められて「ゆうちゃんは将来シナリオライターになったら?」って言われたの。母親に「シナリオライターって何?」と聞いたら「火をつけるものだ」なんて言われて(笑)。私も幼少期に、現在のきっかけが点火されていたという気がします。丹野 似ていますね、私も3・4年生の頃だったし、その先生との出会いがなかったらおそらく演劇はやっていないと思います。石川 私の場合は、高校へ行ったら演劇部に入ろうと思っていて、実際入ってみたらまったく面白くない。いわゆる新劇全盛の頃だったから。そんな時に唐からじゅうろう十郎(※2→P.7)の芝居と出会って、「ああこういうことやっていいんだ!」と思った。「なんでもあり」だったからね。で、次の日に退部届け出して、自分で脚本を書き出した。その初めての戯曲が高校2年生の時。唐さんを見なかったら、芝居をやっていない可能性もあるかな。*もし演劇をやっていなかったら、何をやっていると思いますか?丹野 小学生のときの文集を見ると「お嫁さんになりたい、良いお母さんになりたい、バレリーナになりたい、でもダメ」ってネガティヴなこと書いていました(笑)。石川 芝居をやってなかったら…もう想像ができないね。女の人は「お嫁さん」ってあるけど、男の場合は「旦那さん」ってないからねえ(笑)。※P.10に続く☞

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